DNA

NEUVE AのDNA

松崎 充広の画像

PROFILE

取締役
TiCTAC事業部、業態開発部統括 兼
TiCTAC事業部長 兼 業態開発部長

松崎 充広

チックタックとは?自分の役割とは?

僕が担当している事業部のひとつが『TiCTAC』。腕時計のセレクトショップです。チックタックのことを誰かに説明をするときに好んで使う喩えが、クルマの「ミニクーパー」です。そのこころは、小さくて今風、デザインも燃費もよくてキビキビよく走る。運転したら楽しいし、女の子にも高感度。。。。チックタックは狭い店に楽しい腕時計の世界が広がっている、そして店の外観も中身にもこだわる。“Small But Fun!”ってことで、よく似てると思うんですね。
チックタックはスタートして今年で丸33年になります。自分が大学生のときにはもうありました。ルーツは渋谷パルコのパート3の入り口の「柱」です。入口にあった空いている柱に棚をつけ、縦置きに腕時計を陳列してみたら店になるんじゃないか?という先達のフラッシュアイデアでつくられたのがこの業態です。折りしも腕時計がファッション化し始めた時代。単に時刻を知るための道具だった腕時計が、持つひとのこだわりやセンスを表現するアイテムに格上げされたこの頃、チックタックは生まれました。『なぜ時計も着替えないの?』、これはちょうどその時代を象徴する某メーカーの広告コピーですが、チックタックは当初から今日に至るまで一貫して「ファッションウォッチショップ」を標榜してきました。

腕時計=ファッションというのは今となっては当たり前のことですが、他にそういう店はなかったんです。小さなスペースを巧く使い、腕時計を縦に立てて陳列する。見やすく編集・提案するアイデアによって、腕時計がおしゃれで楽しいものに見えてきた。今まで誰も気づかなかった腕時計というものの新しい魅力を引き出した。そのことで注目され事業が拓けてきたわけです。そういう意味で"コロンブスの卵"。「腕時計を立てフェイスを前側に見せて、縦に陳列する」こと自体すごく斬新で、誰もやっていなかった。それまでは時計というのは平たいガラスケースに寝かせて陳列するのが主流。当然、顔の部分は天井を向いていました。時計を立てて見せることで、単なるブランド毎の陳列から自由になり、カテゴリー編集やVMD(ビジュアルマーチャンダイジング)という手法が採れるようになった。そしてこれらは今も受け継がれる『ストアアイデンティティ』と『ビジネスフォーマット』というわけです。

TicTacビジュアルプロモーション

店頭のビジュアルプロモーションはチックタックの魅力の要

TicTac壁面縦画像

一歩先を行く確かな審美眼でセレクトしたアイテム
チックタックのいいところ? ひと言で言えば小さいことの良さ、ということでしょうか。我々には省スペースで店をつくるノウハウがあります。最初から小さくつくろうとしたかは定かではありませんが、少なくとも「大きくはつくらない」というコンセプトのもとにやってきた。小さいことの良さということについては二つあります。まず、ざっくり言うと店舗面積が少なければ好立地を確保し易いという点。いい場所はひとが集まる場所ですから、小さい店をつくれることのアドバンテージは大きいです。そしてもうひとつは、小さいからいろんなことを考えていかないと継続していけないという点です。例えば限られたスペースの中にどう商品をまとめていくか?お客様を飽きさせない工夫をどう店内で作り出すか?限られた中で課題を消化していくためには従来のやり方では解決しません。そのために色々な知恵を出してきた、そのおかげで今がある。言わば「小さいからこそ出来たこと」なわけです。前述のミニクーパーの喩えで言えば、小回りが利き燃費もいい、けれどそれだけでなく、小さいけれどダイナミックな特長も兼ね備えている。全くミニと同じです。 以前からチックタックを模倣した時計店はいろいろあります。店作りは誰でも真似することができます。しかし我々にはここでは言えない数々の知恵の結晶があります。仏作って魂入れず、とよく言いますが、店作りはなぞれても他の部分は簡単には真似できません。

おかげさまでこうした「小さいからこそ出来たこと」が業界やお客様から評価されて来ました。チックタックは自分たちの目利きで見つけ選んだいい商品を、自分たちのアイデアを活かした空間と方法で販売することを目的とした組織体ですが、これまで全てのことを自前でやって来ました。失敗もありましたし余計な時間がかかったのかも知れませんが、ひとつひとつは小さなアイデアも自分でそれを活かすことに拘っていきたいです。
チックタック事業における僕の仕事は、そのいいところやこだわりをもっともっとブラッシュアップし、ビジネスとして伸ばしていくということになります。そもそも腕時計は毎日、それもほぼ一日中身に着けているものだから、とてもパーソナルな思い入れを反映するモノだと思います。業界自体は大手メーカー主導のマス産業だけれど、買う側には個別のいろんな想いがあります。僕らはいろんな顧客像を想定していろいろなジャンルの商品の品揃えを工夫します。ここ数年、大手メーカー以外にもようやくいろいろな商品が出てきました。こうした新しいものを含め、ブランドごとの品数は多くしません。これぞ!というアイテムをセレクトしてプレゼンテーションの力で提案します。くどいようですが店が小さいですから。 しかし品数を限定することがつまらない店とイコールではないんです。むしろいいものをきちんと確保してしっかり展開することで「何でもある」ではなく、「いいものがある」というアイデンティティをつくってきたという自負があります。店というものは商品の送り手としては末端であり、かつお客様に接する最前線でもあるわけです。この両義性というか境界に居るポジションにおいて、メーカー主導の業界に対して批評性のようなものを持っていたいという気持ちもあります。テキトーに作られてるものはお客様には提案しないぞ、という感じでしょうか。

TicTacビジュアルプロモーション

各店舗ごとに工夫を凝らしたVMDで店頭を華やかに演出

TicTac壁面縦画像

壁面を使い縦に見せる陳列はいわばチックタックの「世界初」の専売特許。

今後の展望

チックタックおかげさまで店舗も順調に増え(17年1月現在102店舗)、今ではオリジナルの【チックタック】【トルク】【スピンドル】【ウォッチポリティックス】と2015年より仲間に加わった【ジャンクス】【モニター】という計6つのブランドから成り立ち、いろいろな市場ニーズ、出店環境へ対応できるベースが整いました。もちろん店舗数ありきではありませんが、まだまだ店舗を増やせると考えています。そして店舗が多くなっても今現在の想いを薄めずに進めていきたいです。「おしゃれで面白いことをやる時計屋=チックタック」というパブリックイメージを早く確立したいですね。ただ、100店舗を超えて展開するショップグループの経験は当社にはありません。だからこれからの店舗網拡大は今までの規定路線では進まないと考えています。リアル店舗が物理的に過当競争にある現状、これまでとは異なる方法論が必要となります。新たな拡大領域も探っていきながら活路を平行化させて見出していこうと考えています。この春ツタヤの運営する『T-SITE』という商業施設に出店しますが、これはそのひとつの例です。施設コンセプトにあわせたコラボレーションタイプの新しいチックタックを出すつもりです。

『TiCTAC』店舗の図面

チックタックのこだわりは店舗づくりから始まります

この春オープンの「広島T-SITE」内装パース

この春オープンの「広島T-SITE」内装パース

『TiCTAC』店舗のパース

新しい店を作るとき、必ず新しいアイデアやディテイルを加え、二つとして同じものにしない工夫をしています。

新しい事業

そして新業態のはなし。2014年秋からヌーヴ・エイとしては幾つかをデビューさせました。僕の統括部門ではメンズ系の『TOUR de BRAIN(ツール・ド・ブレイン)』(以下TdB)を2015年春にローンチさせました。現在4店舗です。当社はここ10数年、現在の事業ポートフォリオをそれぞれ磨いてきましたが、今後の事業展開において新しいメニュー開発は必須です。その号令のもと、ライフスタイルを提案できる新しい雑貨の店を、ということでTdBを始めました。TdBはステーショナリーを広義に捉え、脳を活性化させる道具として、「ブレインツール」として再定義した店です。ただの文具店をやりたいわけではなく、文具の他にも脳を活性化させるものを独自のカテゴライズで集めています。ご存知のとおり脳には右脳・左脳があり、大まかに言うとそれぞれ「感性」と「論理」につながる仕組みを持っています。脳を活性化させることはすなわち、クリエイティビティを上げること。そのためには右脳と左脳の間を意識が行き来することが良いとされ、硬軟取り混ぜた「ブレインツール」の品揃えで、来店したお客様には言わばミニ“脳内旅行”を楽しんで貰いたい、つまりtoolとtourの二語が店舗名に隠れています。「TdB」はそうした想いのある店なのです。

話は変わりますが、今はネットの時代。弊社でもオンラインストアをいくつかやっていますが、スマホさえあればいつでもどこでもモノが買える時代となって、「店」はその場所としての意味を問われていると思います。今以上の価値提供がないと今後「店」というものは必要がなくなっていくでしょう。30年後、いや15年後の小売業を妄想してみましょう。リアルの店舗なんて殆どなくなってしまうかもしれませんし、残った店ではペッパー君の第5世代あたりが優秀な店長として業務をこなしているかも知れません。 そう考えると今後の我々の事業領域は今と全く違うフィールドでも構わないかな、と感じます。もちろんまだ未着手の雑貨アイテムもありますし、編集型の新業態も可能性はあるでしょうが、流通系の領域でない別のサービスであっても、結果としてお客様の生活や生き方がより楽しくなるようなことなら“アリ”かな、と考えています。例えば中古市場への参入や、カルチャーや趣味にまつわる領域、あるいは小売業にかかわる人々をターゲットとしたサービス提案など、特に雑貨専門店のプロとしてやってきた当社に、やる意義と価値のある事業を作りたいと考えています。社内では「小粒で強い事業」「個をサムシングでつなげていく事業」など抽象的ですが、領域を狭めず未来志向で拡散思考中です。

新しい業態、新しい事業領域1

バラエティ感溢れる商品展開で日常に楽しさをプラス

新しい業態、新しい事業領域2

人気ブランドとのコラボレーションでショップインショップも展開

求む!チームメイト!

わが社にはオリジナリティの高い業種がチックタック以外にもあります。それぞれが全く違う業界であり、表層では何も関連がなさそうないくつかの事業。複数の異なる業界に1社で首を突っ込んでいるのは珍しいようです。しかしながらそれらの根っこの部分、つまりそれぞれがどういう想いで事業展開をしているのか、という部分についてはどれも同じように感じます。平たく言えば、それがわが社にあるDNAがなせる技なのかもしれません。

わが社に望むひと? そうですね、まず第一にチームワークを大事に出来るひとです。自分だけじゃなく相手の個性にも肯定的になれるひとです。「開いているひと」って言うんでしょうか。事業にはいろいろな持ち味のひとが居るべきだと思っています。考え方にはそれぞれの特徴があっていいんです。しかし、それがひとつの目標や方針に向かうときには、反発するだけじゃだめですよね。相手の個性と自分の考え方が繋がっていい化学反応が起きるというのは大切です。実はそれが一番面白い。誰かと繋がった仕事は結果として一人でやるよりいいものになってゆく、それがいいチームワークだと思います。そこで大事なのは個性。個性は言い換えれば「キャラクターが立っている」ってことですね。社会に出ると上司たりとてキャラまでは教えられません。今まで生きてきたいろいろなことがにじみ出るのがキャラですから。良いチームワークということを考えた場合、キャラがはっきりしないひとは難しいかもしれませんね。

それと関連して、自分の好奇心やアンテナの感度を示すことが出来るひとはいいですね。なにか面白い特技や趣味を持ってるひと。ひとに誇れる何かを持っているひとって根が強いひとでしょう? と、まぁ欲しい人材について言い出したら、自分のことではないので何でも言えちゃいますから、この位にしておきます。
なんと言っても僕の今のモチベーションはチームメイトが増えることにあります。チームのメンバーが増えることはいつだってうれしい。いろいろなタイプのひとが我々の事業における熱源になれるはずです。そういう熱源になりたいと考えるひと、自分がどんな熱を発せられるのか試してみたいひと、ちょっとウチの会社に寄ってみませんか?

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